2015年1月8日木曜日

室内の新たな汚染物質(1)

「国立保健医療科学院」から【保険医療科学】が発信されています。2014 Vol.63に「室内空気環境における新たな汚染物質」の論文が掲載されています。

室内汚染物質の揮発性有機化合物(VOC)は、13種類が指針値が定められその使用について規制されています。

この論文では今後の注目する室内汚染として、浮遊微生物やそれに関連して微生物から発生する微生物由来揮発性有機化合物(MVOC)、微粒子、ハウスダストをあげています。

また微粒子の室内の発生源については、燃焼によるもののほかに化学物質の二次生成やレーザープリンタからの超微粒子の発生などにふれ、ハウスダストの問題ではハウスダストに吸着する準揮発性有機化合物(SVOC)と健康影響、ハウスダスト中に含有するSVOCの濃度の現状と、今後のデータの蓄積によりSOVCと小児ぜんそくとの因果関係の解明に期待しています。

建物も省エネの観点から気密性が向上して、自然換気が期待できず、24時間換気システムも適正に作動されていないケースもあり、室内の空気質の悪化(濃度の上昇)の要因にもなっていると指摘しています。

建築環境の分野において「ダンプ」という言葉がよく使われますが、これは<湿気・湿った、ジメジメした>などの状態をさし、建築内部の結露などによる環境の悪化をしめしています。ダンプはシックハウス症候群の重要な要素の一つといわれています。

ダンプにより微生物(カビなど)が発生し、その微生物から発生するMVOC(微生物由来揮発性有機化合物)はアルコール類、ケトン類、ホルムアルデヒド類、酸類、テルペン類などがあげられています。

スェーデンの小学校児童を対象に調査した結果、室内のMVOCが高いとき、夜間の息切れやぜんそくが多く見られ、MVOCが子どものぜんそく症状の危険因子となる可能性が指摘されています。

続きは明日掲載します。


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