2014年8月25日月曜日

家具基材(MDF)のホルム濃度(3)

最近ある家具メーカーの東南アジアの現地工場での、家具の基材となるMDFのホルムアルデヒド濃度を測定する機会がありました。

その結果室温31℃の状態で大小2枚のMDFを測定しましたが、ホルムアルデヒドの放散量は、国の指針値0.08ppmをはるかに超え、1時間当たり放散量は2.788ppm1.476ppmと指針値の35倍、18倍という大きな値となりました。これほどの濃度とは思わなかったので驚きです。

家具となる場合には、このMDFに印刷されたシートを張り製品として出荷されるので、ホルムアルデヒドの放散は減衰されると思われますが、それでもかなりの放散はあると思われます。

特に勉強机や各種収納家具、シューズケースなどは東南アジアで生産された物が多く輸入されています。勉強机などは子どもが使用する時間が長く、免疫力の小さな子どもへの影響は強く懸念されるところです。

一日も早い国の法整備や、MDFのホルム放散を抑制する新しい技術の開発が求められます。

ReNも住宅の室内での化学物質の減衰に高い効果を出しており、この方面でも何かお役に立てればと考えております。



2014年8月24日日曜日

家具基材(MDF)のホルム濃度(2)

このように内装材には国の規制がありますが、【家具】については国としての規制はありません。また、業界としての統一された自主規制もないと言われています。家具製造業者の中には、自社製品のホルムアルデヒド放散量を公表している会社もありますが、そのような対応しているのはごく少数にすぎません。

(一社)日本家具産業振興会では、ホルムアルデヒドなどの揮発性化学物質の放散を規制した家具につけられる「室内環境配慮マーク」推進していますが、まだその会社数は少なく業界に広がる事が期待されます。

新築住宅で引き渡し時に室内の空気質測定を行い、指針値0.08ppm以下で引き渡しても家具が入り、家具等から放散される化学物質により指針値を超えてしまいその対処や、ニオイの相談が寄せられることも、ままあります。

欧米諸国からの輸入家具や東南アジア製の家具(日本のメーカーの現地産を含む)も大量に日本に入ってきています。

その家具の基材となるのがMDF(中質繊維版=木材を繊維状にほぐし、接着剤などを配合してボードに成型した繊維版の一種)です。もともと欧米において木質資源の有効活用を図るために発達しましたが、日本においても優れた品質特性から注目され活用されています。


続きは明日へ・・




2014年8月23日土曜日

家具基材(MDF)のホルム濃度(1)

シックハウス対策として平成1571日から改正建築基準法が施行され、ホルムアルデヒドとクロルピリホスが規制されました。クロルピリホスは有機リン系のしろあり駆除剤で、居室を有する建築物への使用が禁止となり、ホルムアルデヒドを発散する建材は、使用面積に応じた制限がかかっています。

規制対象となる建材は、木質建材(合板・木質フローリング・パーティクルボード・MDFなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗料、仕上塗材などで、JISJASなどの表示記号で、F☆☆☆☆・F☆☆☆・F☆☆と表示されています。

現在の住宅用建材や副資材は殆どがF☆☆☆☆を使用していますが、単体の建材ではF☆☆☆☆の基準に合致しホルムアルデヒドの放散は抑えられていますが、住宅全体で使用される建材の使用面積は、下地合板から仕上げ材まで含むとかなりの面積となり、場合によっては国の求めているホルムアルデヒドの指針値0.08ppmを超えてしまうケースも少なくありません。


日本ではこのような規制があり建材メーカーもそれに準拠して、各種建材を製造していますが、海外からの輸入資材にはこの規制がかかっていない資材もあり、室内の空気質悪化の原因ともなっています。


続きは明日・・


2014年8月22日金曜日

メガヒット商品でも!

今年の5月に発売された「週刊新潮」に【間違いだらけの「雑菌知識」】という記事が載りました。興味あるテーマが幾つかありましたが、その中に誰でも知っている除菌グッズについて書かれています。

この商品は<99%以上のウィルス除去効果>を謳っており、15年間で3億本以上を売り上げたメガヒット商品と言われています。しかし、この商品には「塩化ベンザルコニウム」という物質が含まれています。

ここ数年、結膜炎や皮膚炎、喘息、不整脈などを引き起こす化学物質過敏症患者が急増し、その数は100万人を超えるとの統計もあります。北里大学の宮田名誉教授は、18人限定で、化学物質過敏症専門の外来を行っているそうですが、その半数がこのメガヒット商品に反応しているそうです。

「スプレーから霧状で散布されるので、それを吸いこんで肺に届くと化学物質がそのまま毛細血管を通って血液に溶け込んだり、鼻の粘膜に付着すると脳に直結するので、非常に危険です」と注意をうながしています。

また、その除菌効果について「塩化ベンザルコニウムを合成して殺菌作用を強めた石鹸を使い、3分間の手洗いを2回続けて行い、その後、プレートに手をつけてから離し、一定時間放置すると手形にびっしり細菌が発生していた。殺菌性の強い石鹸を使っても、細菌を完全に消し去ることなどできない。人間の体は細菌と共存して初めて健康なのです」と言っています。

この商品に限らず、身近で何気なく使っている商品でも、少し違って角度から見てみる必要がありそうです。


ReN(れん)ホームページ
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2014年8月21日木曜日

あるビルダー社長の決意(2)

噴霧2日後事後測定を行い、その結果「0.049ppm」の結果となり、ホルムアルデヒドが2日間で約60%減衰致しました。また、部屋内の空気の匂いもほとんど感じられず、他の部屋や廊下との匂いも感じる事ができました。

今回の結果を受け、このビルダーの社長は「自社の物件で指針値を超える住宅をお客様に引き渡す事はできない」と、自社物件でのReN資材の採用に踏み切り、全棟標準仕様とされる決意を固め、社員の皆さんにもその決意を表明されました。

会社としてお客様に引き渡す際、「この住宅の空気はきれい」ですと自信をもって、お客様に伝えることができます。また、測定値をお渡しすることも大きな信頼となります。


このような「きれいな空気の家」を提供するビルダー・工務店が増えることが、多くの「健康で幸せを呼ぶ住まい」の提供につながると考えます。



2014年8月20日水曜日

あるビルダー社長の決意(1)

先日都内で、引き渡し前の戸建物件の室内空気質測定を行いました。6帖の洋室で室内の仕上げは天井・壁がビニールクロス、床が複合フローリング、造り付けクローゼット付きの、ごく一般的な仕上げの住宅です。

室温は事前測定時33℃、事後測定時は34℃と夏場の南向きの洋室でやや高めの室温でした。
ホルムアルデヒドの事前測定では、規定とおり30分測定しましたが、検知管の測定上限値を超えてしまい再測定を行い、その結果温度補正後値で「0.122ppm」という、指針値0.08ppmを大きく超える測定値となりました。部屋内の空気も“新築の匂い”が感じられました。

室温が高いほど化学物質の放散量は増えます、夏の高温時は特に多く放散されます。

測定後、【ReNウォーター】を、天井・壁・クロゼット内部・建具などに噴霧しました。


続きは明日・・


2014年8月6日水曜日

住宅大手が 「スマートハウス」へ

住宅大手メーカーがこぞってスマートハウスへの、移行をすすめていると報道
されています。

大手の「積水化学工業」は、2016年度に分譲する住宅を原則すべてスマートハ
ウスにするとしています。また、「パナホーム」も2018年までに販売する全住
宅を、スマートハウスに切り替えます。

スマートハウスは、「自然エネルギーやIT(情報技術)を使って、電力を効率
良く使えるようにした住宅」です。各電力会社の電気料金の値上げが言われて
いる中、スマートハウスは補助金などを使って電力コストを減らすことができ
ます。再生エネルギーの固定価格買取制度の利用に加えて、電力会社から買う
電力量を自宅での発電量が上回る<ゼロエネルギー>の状態になると、国から
最大350万円の補助金が受けられます。

「大和ハウス工業」では、2014年4月から、全商品で太陽光発電とエネルギー管
理システムを標準装備とし、最大手の「積水ハウス」は太陽光発電に加え、燃
料電池も備えてた住宅の販売が6割に達しています。「ミサワホーム」では太陽
光発電を備える住宅が65%となり、太陽光の電力を1円高く買い取るサービスも
始めました。

2014年度は消費税後の反動で受注が前年同月比で1~3割減っています、住宅メ
ーカー各社は各種制度を使いスマートハウスの割り安感を打ち出しています。

国は2020年のゼロエネルギー住宅の施策を発表、省エネ設備の導入を含む、新
省エネ基準を進め、住宅向けに義務化を図ります。大手住宅メーカーは来年の
消費増税を背景に、次の戦略として節約志向のスマートハウスを取り上げ、浸
透を図っています。

一般工務店も、次々と発表される省エネ対応の技術、商品への強い関心を持ち
続け、時代に即した対策をとる事が重要な事です。