2014年4月16日水曜日

木質化率と睡眠効率

「建物全体の50%程度、例えば床と天井にムク材を使用している住宅は、住ま
い手が良好な睡眠を得るのに最も効果的」と、慶應大学の伊香賀教授が全国の
工務店及び住まい手の協力を得て検証しまとめました。

建物の木質化率が低すぎても、高すぎてもだめで50%程度を木質化している場
合が最も睡眠効率が高いとの事です。伊香賀教授はムク材の見た目と香りがも
たらすリラックス効果の点から、木質化と良好な睡眠の関係を検証。木の香り
が強いほど、好ましさとリラックス度が強まる事が分かりました。さらに、木
質化率別に香りを好ましいと感じる人の割合は、木質化率が高いほど好もしさ
が上がりました。

ムク材の見た目の効果。床や壁、天井などにムク材を使用している量と、見た
目の好ましさの関係を分析したところ、壁面の係数だけがマイナス、「壁面に
おいて木の使用量が多くなると、見た目の好ましさが低下すると見られる」と
の事です。

また見た目を好ましいと思っている人の割合は、木質化率50%程度をピークに
好ましいと感じる人の割合が変化する傾向が表れ、木質化率100%の方が好まし
いと感じる人の割合が下がると言う事です。これは「室内の全面を木質化する
と、暗い印象や圧迫感が出るのでは」と伊香賀教授は説明しています。

リラックス度と睡眠効率の関係では、互いに高い方が良好で、リラックスでき
る木質化された住宅であれば【良い睡眠】得られるとの事です。また伊香賀教
授は1部屋だけでなく「就寝するまでに過ごすリビングやダイニングなどの部屋
でのリラックス度も影響する。建物全体で50%程度が望ましい」と指摘してい
ます。




2014年4月14日月曜日

大気汚染で700万人死亡 WHO発表(3)

金沢大学の早川教授らの研究グループは、毎年春先の黄砂が多く飛んで来る時
期に、PM2.5の中でも発がん性が極めて高いとされる「NPAH]と呼ばれる物質の
濃度が高くなると発表しています。
大気中に含まれる「窒素酸化物」と、PM2.5が必ず含まれる「PAH」が入った容
器に黄砂を入れ、撹拌させる実験を行ったところ、「NPAH」に変化することが
分かったそうです。

「NPAH」は、多くの研究者の実験で肺がんなどを引き起こすリスクが「PAH」
よりも100倍以上高いことがしめされたとの事です。

早川教授は「これまで黄砂だけ、PM2.5だけで対策を考えていたが、複合影響
があるという前提で対策をたてる事が大切」と話しています。

外出の時はPM2.5を通さぬマスクの着用や、室内では取り込んだ空気質の改善
を行いましょう。


2014年4月12日土曜日

大気汚染で700万人死亡 WHO発表(2)

昨年来より日本への日本への影響が連日報じられている中国では、主要74の都
市で、PM2.5を定点観測した結果、基準を満たした都市はわづか3都市だったと
の事です。

中国での環境汚染の原因としては、粗悪なガソリンがまかり通り、石炭火力発
電が全発電の72%を占め、報道によればその石炭にはウランが混入しており、
河川の汚濁によって生態系の激変したこととも言われております。

北京の大学の研究チームからは「北京のPm2.5を含むスモッグに肺疾患の原因
ともなる真菌や細菌、微生物など1300種類も含まれているとの研究論文も発表
されています。

続きは14日に掲載します。


2014年4月10日木曜日

大気汚染で700万人死亡 WHO発表(1)

WHO(世界保健機関)は、3月25日、大気汚染物質「PM2.5」による大気汚染を
原因とする死者が、2012年に、世界で700万人にのぼったと発表しました。

WHOによると、PM2.5などの細かい粒子状の物質は、心臓病や肺がん、ぜんそく
などを引き起こすおそれがあり、こうした大気汚染由来による疾患で2012年に
は、世界でおよそ700万人が死亡していると推計しています。

WHOは外部機関「国際がん研機関(IARC)」が、【屋外大気汚染がヒトに対して
発がん性がある<グループ1>に分類した】と昨年発表しました。
今回の発表データはこれに関連するニュースですが、WHOは大気汚染について
「最も深刻な健康リスクだ」と指摘しています。

特に都市部では、交通やエネルギー開発などが大気汚染の大きな要因となって
いるため、「長期的には、環境対策のコストの方が、大気汚染による医療費よ
りも経済的だ」と警鐘を鳴らしています。
しかし、世界で大気汚染由来で年間700万人が死亡するとは驚くべき数字です。

続きは12日に掲載します。


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2014年4月8日火曜日

経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(6)

前回に引き続き、経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告の情報です。


6.向こう6か月の住宅市場について  ( )内はH25年7月度調査数値
・「所得の伸び」では、上昇傾向。【上がる7(4)・変わらず11(13)・下がる0
(0)】
・「家賃の動向」では、若干上昇の傾向。【上がる4(3)、変わらず14(14)、下
がる0(0)】、「金利の動向」では、現状維持の傾向。【上がる7(12)、変わら
ず10(5)、下がる1(0)】
・「資材価格の動き」では、上昇傾向。【上がる16(14)、変わらず2(3)、下が
る0(0)】
・「建築の手間賃」では、上昇傾向。【上がる16(14)、変わらず2(3)、下がる
0(0)】
・「地価の動向」では、上昇傾向。【上がる9(7)、安定化8(10)、下がる1(0)】
・「展示場来場者数」では、減少傾向。【増える4(14)、変わらず6(2)、減る7
(0)】
・「技能職人数(大工)」では、職人数不足顕著。【過剰0(0)、充足0(3)、不
足18(14)】

*アベノミクス効果で、好況感が少しずつ広まりつつあるようです。しかし、
大型公共事業や震災復興事業の加速に、更に増税特需による住宅建築の集中な
どが加わり、「資材価格の上昇・品薄」や「建築手間賃の上昇」で、工程の遅
れやコストへの圧迫が顕在化しております。一層の業務手順の見直しやコスト
ダウンの意識を強めることが急務と考えます。また大きな課題「技能職人数
(大工)の不足」も年々顕著になって参ります。従来の枠に捉われない「多能
工」の育成や、システムとしての導入など、早目に検討する時期も間近いので
はないでしょうか。


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2014年4月7日月曜日

経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(5)

前回に引き続き、経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告の情報です。


5.リフォーム
①H25年度第3四半期(H25年10~12月)実績の景況判断指数は前年同期比で、
受注金額+73ポイントと大幅増が継続。
・リフォーム需要は依然旺盛で、50歳代、60歳代に加え70歳代のリフォーム需
要も旺盛。
・消費税の駆け込み、太陽光の受注堅調。
②H25年度第4四半期(H26年1月~3月)の見通しは、受注金額が+64ポイントと
更に大幅増が継続の見通し。
・短工期のリフォーム需要は旺盛。
・足場、塗装など新築工事と重複する工事は逼迫することが懸念される。
・3月末の消費税増税前の駆け込み需要に期待。

*今後とも競合が更に激化する分野です。営繕的リフォームから、新築で培っ
た技術力・信用力を基に大型リフォームへの視野を広げることも、この分野で
の大きな差別化要因です。信用力のある地場の地域ビルダーだからできるリフ
ォームの展開を図ることです。

この続きは経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(6)に続きます。
次の投稿を御覧ください。



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2014年4月4日金曜日

経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(4)

前回に引き続き、経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告の情報です。


4.低層賃貸住宅
①H25年度第3四半期(H25年10~12月)実績の景況判断指数は前年同期比で、
受注戸数±0・受注金額+15ポイントと金額は13期連続してプラス。
・反動減はあるが、H27年からの相続税増税の機運などにより、戸建住宅程の
マイナスになっていない。
・防犯配慮型仕様が引き続き好調。
②H25年度第4四半期(H26年1月~3月)の見通しは、受注戸数+12ポイント、受
注金額+12ポイントと、プラス基調は継続の見通し。
・投機機運上昇。
・反動減はあるが、各種優遇政策により大幅なマイナスにならない。
・サービス付き高齢者住宅の需要増加し受注増。

*相続税増税を受けての受注増や各種優遇政策により、低層賃貸住宅は好調を
維持しています。この分野では、総合力が発揮できる「大手住宅マーカー」が
高いシェアをもっていますが、地域ビルダーとして、地場密着の強みを生かし、
各種情報の掘り起しや賃貸ビジネスに対応できるネットワーク構築などが必要
と考えます。

この続きは経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(5)に続きます。
次の投稿を御覧ください。



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2014年4月3日木曜日

経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(3)

前回に引き続き、経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告の情報です。

3.戸建分譲住宅
①H25年度第3四半期(H25年10~12月)実績の景況判断指数は前年同期比で、
受注戸数+42ポイント・受注金額+35ポイントと受注戸数・金額とも7期連続し
てプラス。
・増税前の駆け込み需要影響大。
②H25年度第4四半期(H26年1月~3月)の見通しは、受注戸数・受注金額とも
+46ポイントと、プラス基調は継続の見通し。
・増税前の3月末まで分譲の駆け込み需要が続く。

*戸建分譲住宅は好調です。この流れは暫く続くと見られています。分譲分野
では「いかに新しい情報を入手できるか」が極めて重要です。地域の関連業者
とのネットワークの構築、また新しい情報の発信や、時代の先を取り込んだ省
エネへの考え方など、しっかりと整備が必要です。


この続きは経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(4)に続きます。
次の投稿を御覧ください。


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2014年4月2日水曜日

経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(2)

前回に引き続き、経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告についての情報です。

2.戸建住宅
①H25年度第3四半期(H25年10~12月)実績の景況判断指数は前年同期比で、
受注戸数-72ポイント・受注金額-66ポイントと受注戸数ではH21年度第2四半
期以来、受注金額ではH23年度第3四半期以来の前年比マイナスに転落。
・9月末の指定日に合わせた駆け込み受注の反動による影響が大。
②H25年度第4四半期(H26年1月~3月)の見通しは、受注戸数-22ポイント、
受注金額-19ポイントと、マイナス基調は継続の見通し。
・駆け込みに対する反動減はあるものの、政策支援への期待感で前向きのコメ
ント多い。

*戸建住宅は「駆け込み受注」の反動から、暫く受注減が続く見通しです。そ
の中にあって、他社との差別化を図る「らしさ」の構築、訴求が大切と考えま
す。まず、自社の足元を見直し「自社のらしさとは何か」に早急に取り組むこ
とです。


この続きは経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(3)に続きます。
次の投稿を御覧ください。


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2014年4月1日火曜日

経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(1)

(社)住宅生産団体連合会の法人会員18社(大和H・旭化成H・ヤマダ・三井H
等住宅大手メーカー)の経営者による、低層住宅に関する【経営者の住宅景況
感調査】の報告がH26年1月30日(年4回報告)に発表されました。

<報告要旨>
1.全体
①H25年度第3四半期(H25年10~12月)実績の景況判断指数は前年同期比で、
総受注戸数-47ポイント・総受注金額-40ポイントと受注戸数ではH23年度第
4四半期以来、受注金額ではH21年度第3四半期以来のマイナスに転落。
・「リフォームが索引し、全社も良好」
・「戸建の減を賃貸・リフォームでカバーし受注金額前年並み」
・「駆け込みに対する反動」
・「駆け込み需要が一巡し、今年4月の増税後に検討する層が多い」
・「来展状況など市場基調自体がこれ以上悪化の兆候は見られない、顧客が決
 断を急ぐインセンティブが乏しく先延ばしの傾向が強い」
②H25年度第4四半期(H26年1月~3月)の見通しは、総受注戸数-13ポイント、
総受注金額-7ポイントと、マイナス幅は減少するがマイナス基調は継続の見
通し。
・分譲、リフォームでは消費税の駆け込みが発生し、プラス気配。
・戸建住宅は先の反動減が一巡し、回復傾向が出始める。
③H25年度の新設住宅着工戸数の予測は、回答者の平均値で総戸数96.7万戸。
利用関係別では、持家が34.9万戸、分譲住宅26.6万戸、賃貸住宅34.5万戸
④H26年度の新設住宅着工戸数の見通しは、総戸数88.8万戸。H25年度比-8.2%。
利用関係別では、持家が31.4万戸、分譲住宅25.3万戸、賃貸住宅31.5万戸と、
消費税増税の影響もあり、90万戸を下回るとの予測。
・消費税増税の影響あり。

*今回調査は、いわゆる「消費増税 駆け込み受注」が一段落した後で、各社
とも実績・予測とも、前年同期比マイナスとしております。その中にあって
「リフォーム」については先行きに明るい見通しを持つ回答が目立ちます。新
築では「顧客が決断を急がない」との意見がありますが、地域ビルダーからも
同様な声は聞こえて参ります。顧客にとり有益な情報は早く提供する事が重要
です。


この続きは経営者の住宅景況感調査(H26年1月度)報告(2)に続きます。
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