2014年3月19日水曜日

【黄砂・花粉・PM2.5のシーズン(4)】

花粉の飛散シーズンは概ね4月一杯ですが、黄砂とPM2.5は6月ころまで続くと
言われています。大気の汚染により喘息の悪化など呼吸器系の病気や循環器系
の病気や、発がん性物質の影響によるガンの恐れも言われています。

黄砂飛来情報・花粉飛散情報などで影響が予測されるときは、外出を控えたり、
室内に黄砂・花粉を取り込まないよう窓を開けないことや、洗濯物を外に出さ
ないなどの対策が必要です。外出時のマスクも一定の機能をもつマスクを勧め
より顔に密着したものをとしています。

住宅の換気を控えた場合など、室内を<きれいな空気>の環境に保つことが非
常に重要となります。高性能フィルターの空気清浄器の活用や、室内の化学物
質を効果的に分解除去するReN資材の活用をお勧め致します。



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2014年3月17日月曜日

【黄砂・花粉・PM2.5のシーズン(3)】

今年もまた花粉が盛んに飛散しています
花粉症の原因の花粉とは、種子植物の雄性配偶体で、雄しべにある葯(やく)
と呼ばれる袋の中でつくられる顆粒(かりゅう)のことです。直接または風・
虫・鳥などによって雌しべの柱頭に運ばれます。花粉の直径は0.032㎜
(約1/30mm)、重さは12ナノグラム(約1億分の1グラム)と非常に軽く飛
散しやすい粒径です。

花粉は季節を問わずほぼ一年中飛散しています。代表的な花粉は次のとおりです。
 ・スギ    :2月・3月・4月
 ・ヒノキ   :3月・4月
・ブタクサ  :8月・9月
 
スギが本格的に花粉を作るのは、早い場合で25年生前後、通常は30年生程度か
らと言われ、その生産量は、雄花の分化が始まる7月の気象条件に大きく左右さ
れ、晴天の日が続き気温が高いと生産量は増加し、降水量が多いと減少します。
人間の身体には、体内に侵入しようとするウィルスなど外敵(異物)を排除し
ようとする働き(免疫機能)があります。ストレスなど様ざまな要因で免疫機
能のバランスが崩れると人によってはアレルギー反応が起こり、無害な植物の
花粉にまで免疫の過剰反応が働き、花粉症にかかります。

アレルギーが目や鼻でおきると花粉症、気管支でおきると喘息、皮膚でおきる
とアトピーとなります。花粉に対するアレルギーによっておこる鼻炎や眼の症
状が【花粉症】です。全国での推定発症者は2000万人を超えたと言われ、その
7割がスギ花粉症です。その症状は、クシャミ、水性鼻汁、鼻塞、目のかゆみ、
流涙の他、場合によっては頭痛、全身倦怠等の症状も現れます。

関東での花粉症の有病率は29.8%(鼻アレルギー診察ガイドライン平成21年
版)で有病率は特に都市部において高くなる傾向があり、埼玉42.9%・東京33.8%
・神奈川34.6%で、環境省では花粉症の悪化要因の可能性として、空気中の汚
染物質やストレスの影響、食生活など生活習慣の欧米化による影響を指摘して
います。


2014年3月16日日曜日

【黄砂・花粉・PM2.5のシーズン(2)】

PM2.5と共に黄砂や、花粉も多く飛来・飛散する時期です。
 
「黄砂」・「黄砂現象」とは、東アジアの砂漠地域(ゴビ砂漠、タクラマカン
砂漠など)や、奥地の黄土地帯から、強風により舞い上がった黄砂粒子が浮遊
しつつ降下する現象をさします。吹き上げられた黄砂粒子は、大きな粒子は速
やかに落下しますが、小さな粒子(粒径が数マイクロメーター以下)は上空の
風により遠くまで運ばれます。

黄砂による健康被害は、咳・頭痛・鼻水・微熱・痰・目の充血などですが、最
近報じられているように中国の大気汚染物質が黄砂に付着し、喘息炎や免疫が
乱されてアレルギーになったり、膠原病が悪化するなどが報じられています。
花粉症は最近特に報じられることが多いPM2.5が混合されることにより、劇症化
すると言われています。

また、黄砂が飛来しているときは、空気に含まれるカビや細菌などが黄砂が飛
んでいない時に比べ約5倍近く多いとの観測データもあります。黄砂の大きさは
直径4μmで、スギ花粉は20μmです。花粉より小さいので花粉症対策マスクで
なく、風邪のウィルスを通さないマスクが有効です。

黄砂は夏場以外は飛来する可能性がありますが、特に2月~4月がピークと言わ
れています。
環境省の<黄砂飛来情報>なので、早目に情報を入手することも大切です。


2014年3月14日金曜日

黄砂・花粉・PM2.5のシーズン(1)】

一昨年頃より中国からの大気汚染物質PM2.5が連日報じられております。中国
国内はもとより、日本への影響が 懸念されています。

人間は毎日大量の空気を吸っています、その量は成人の1日の食物 摂取量の約
10倍の20kgと言われております。 この空気の中に、細菌やウィルス、PM2.5の
ような物質も含まれています。

人間は鼻や喉、気管支などにはひだや粘膜があって、ウイルスなどの異物の侵
入を防いでいますが、PM2.5はとても小さいため肺の一番奥にある肺胞まで達し
ます。肺胞は酸素を取り組む大切な機能を持ちます。

肺胞にはせん毛運動はありませんが、PM2.5などの異物を取り除く機能はありま
すが、量が多いと処理できず、残ったり炎症が起きます。その影響は、酸素を
取り組むことができなくなり、喘息など、呼吸器の 病気や循環器の病気が起こ
りやすくなります。PM2.5が発がん性物質を含んでいれば、ガンの恐れもでてき
ます。

PM2.5は黄砂の時期と重なり、日本への影響は避けられないのが現状です。また、
花粉も多く飛散すると言われています。黄砂や花粉にPM2.5 が重なると、花粉
症やぜん息などの持病がある方は症状が出やすくなる可能性もあります。また、
肺がんのリスクの上昇や、循環器系葉の影響も懸念されています。

環境省は濃度水準として、1日70μm/㎡に対応する1時間平均値85μm/㎡を、
1日の早い時間帯で超えた場合は、都道府県が注意喚起を行うことを奨励してい
ます。

暫定指針値を超えた場合、屋外での長時間の激しい運動や、外出を極力減らす
こと、また、屋内においても換気や窓の開閉を必要最小限にすることなどによ
り、外気の屋内への侵入を少なくし、その吸入を減らす事を勧めています。


2014年3月11日火曜日

全建総連による【住宅新築・リフォーム実態調査】

全国建設労働組合連合(全建総連:2012年6月末62万人加入)から、2013年3月
に表記の調査報告が発表されています。この調査は、2012年度の1年間に同組合
員の「大工(建築大工)」職14万6千人に23の設問を行い、51県連・組合から59
59名の回答が得られています。

【調査要旨】
1.建築大工の年齢:60歳以上が約半数(49%)を占め、50歳以上では約8割
(77%)と、超高齢化の状況です。若年層の参入が現状のまま10年推移すると、
50歳以上が9割(92%)となります。超高齢化の兆しが顕著です。

2.事業所の組織形態:個人事業所が68%、有限会社が21%、株式会社が11%。
組織化された会社が少なく、全体に脆弱な体質と言えます。

3.従業員数(経営者、職人、事務含む。常用):いわゆる一人親方が42%で、
3名以下で約80%を占めています。中小企業景況調査によると、建設業において
は、震災以前から従業員不足が生じており、後継者不足と合わせ、従来の徒弟
制度に代わる人材育成の仕組みが必要としています。例えば「多能工」の考え
方も普及始めており、業界全体としての取り組みが急務です。

4.後継者の有無:後継者なし64%、有り36%で、後継者不足が顕著で深刻な課
題です。2012年の帝国データバンクの調査によると後継者の不在率は全業種の
平均で65.9%となっており、建設業では69.6%で、サービス業に次いで2番目と
なっています。また、技術者の確保が困難な状況になりつつある現状では、技
術職の廃業は技能継承の断絶であり、業界低迷の要因となり得ると警鐘を鳴ら
しています。

5.新築住宅: <構造>では在来構法が88%を占めます。年間の戸数では平均
0.98戸(一人親方では平均0.36戸)です。全建総連組合員で、年10戸を超える
受注がある大工・工務店は1%に満たず、多くの大工・工務店が脆弱な経営環境
にあると推測されます。
<元請合計金額>の平均は1,832万円/年・1,878万円/年・戸で、一人親方の平
均640万円/年 1,767万円/年・戸です。
<下請件数>:69%が下請形態なしとしています。

6.住宅リフォーム:平均 4.9件/年(一人親方の平均 3.38件/年)で、同組
合員の8割がリフォーム元請工事を行っており、新築工事の約5倍の工事件数と
なっています。工事金額は平均 886万円/年で、500万円以下は32%とリフォー
ム金額の小ささが目立ちます。リフォーム下請58%が経験なしとし、少額のリ
フォームは直接受注の面が窺えます。

7.住宅履歴情報については64%が知らないと回答しており、国が進める施策の
普及とのギャップがあり、もっと啓蒙する必要があります。

9. 新築・リフォームにおける公的助成金制度の活用の有無も50%がある。50%
がないとし、同じくもっと啓蒙しなくてはなりません。

10.現場における一定の技術を持った技能者が不足については、63%が感じて
おり、ほとんどの地域でほぼ6割以上が技能者不足を感じています。国土交通
省によると、建設業への入職者数はH4年(1992年)の約半分に減少し、建設業
全体の収入も下降している。技術競争力の低下(技術・技能の継承が不適)と
ともに、技術力低下が進み、魅力が減り入職率が低下するという悪循環が生じ
ています。いかに若手労働者を建設業へ振り向かせるか官民一体となっての取
り組みが必要であり、急がれます。

11.どのようなテーマに興味があるかについては、1位:自然素材14%、2位:
耐震13%、3位:伝統構法12%となっており、耐震や太陽光発電などや直接防
災に関連するテーマへの興味は高いが、省エネや長期優良住宅に関する関心は
それほど高くありませんでした。しかし、国の施策は間違いなく、省エネや長
期優良住宅制度を強力に進めており、この分野への関心の極めて大切です。

*1全建総連組合員の2012年における新築着工戸数は推定約8.6万戸。推計シェ
ア20.3%で大手ハウスメーカーの10社の戸数とほぼ同数にあたります。また、
 全建総連組合員の同年におけるリフォーム工事受注額は推定6,006億円で、国
の全国推定工事高3兆760億円に対し、推定シェア19.6%となり高いシェアを持
ちます。

今回調査ではいままで余り各種統計に現れなかった、直接現場に携わる「大工
(建築大工)」職の調査であり、その実態がかなり明らかになりました。大工
職の高齢化に伴う継承者不足は深刻です。2020年には現在の50万人から30万人
へと4割減が言われております。その対策をどうするか一日も遅れる事はでき
ません。


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2014年3月10日月曜日

子どもの受動喫煙のリスク(4)

また、子どもと受動喫煙の関係では、次のようなショッキングなデータも載せています。
 <子どもの前でたばこを吸うと・・・>
 ・赤ちゃんの突然死の割合
   両親が喫煙  4.7
   片親が喫煙  1.6
 ・肺炎、気管支炎 1.5倍~2.5
 ・中耳炎     1.2倍~1.6


受動喫煙の悪影響は前から報じられていますが、強い強制力を持つ法の整備はまだまだです。この朝日新聞の記事を読むと、喫煙者にとりなかなか難しいことですが、改めて公共の場、家庭を問わず禁煙か、完全な分煙が必要と強く感じます。子どもに受動喫煙の環境にさらさない事が大人にとっての重要な責務と考えます。



2014年3月8日土曜日

子どもの受動喫煙のリスク(3)

「子どものために禁煙する親」は多くないとのデータが書かれています。全国の母子10万組が参加する環境庁の「エコチル調査」では、「妊娠に気づいてやめた」母親は全体の13%。妊娠中期でも吸う母親は5%。父親の喫煙率も妊娠初期が47%、中期も46%とほとんど変わらないそうです。

たばこの影響で健康を損なったと思われる子どもたちを診てきた加治・静岡市保健所長のコメントです。「これだけ体や知能にダメージを与え将来の健康も損ねるたばこを、子供の前で吸うのは一種の虐待行為」と訴えています。

自治体の取り組みにも差があるようで、2011年に齋藤麗子・十文字学園女子大学教授が、政令指定都市と東京都内の全市区町村の児童公園の灰皿の設置について調査。回答のあった190自治体のうち2割が「灰皿が置かれた児童公園がある」とし、8割は禁煙の表示がなかったとの事です。

同教授は「灰皿」があった24自治体のうち、昨年末に追跡調査を行い、半分以上が撤去。された。声を上げることが大事です」としています。




2014年3月6日木曜日

子どもの受動喫煙のリスク(2)

「三次喫煙」とは何でしょう。あまり聞いたことのない言葉ですが、この記事ではその影響についても書かれています。
・産業医科大学の大和教授のグループが、全席喫煙可の喫茶店での空気を調べたところ、午後6時頃の平均濃度が371μg/㎥と「北京並み」の汚染だった。
・車の運転席で吸った場合には、全ての窓を10cm開けてエアコンで換気しても車中の濃度は最大3千μg/㎥で、助手席より後部座席のほうがより高濃度となる。
・家族がたばこを吸う家の子どもの尿中のコチニン(ニコチンの代謝物質)は、吸わない家庭に比べ「換気扇の下」で3.2倍、「ベランダ喫煙」でも2.4倍と多かった。この結果はベランダや換気扇の下で喫煙しても子どもは影響を受けている。
・喫煙後の服や、家具や壁に残るたばこ由来の化学物質を触ったり、吸い込んだりすることを「三次喫煙」と呼ぶが、化学物質がついた家具や服に小さな子どもが触っている。

これは家庭内での「分煙」として、換気扇の下やベランダでの「蛍族」の喫煙も、その副
流煙が家具・壁・洋服などに沁みこみ、そこからも子どもに対して影響を与えていること

に警報を鳴らしています。



2014年3月4日火曜日

子どもの受動喫煙のリスク(1)

31日の朝日新聞に「子供の受動喫煙のリスク」に関する記事が掲載されました。「受動喫煙」についてはこのホームページでも「たばことPM2.5」や「たばことペット」を取り上げた時、その与える悪影響についてお知らせしました。

たばこの煙りはPM2.5と同じです。厚生労働省の「最新たばこ情報」では、たばこからは3,044種類の、たばこの煙りからは3,996種類の化学物質を分離でき、そのうち1,172種類はたばこ及びたばこの煙り両方に存在していたとの報告です。
たばこの主流煙、副流煙に含まれる化学物質のうち、人体に有害なものは250種類を超え
発がんが謳われるものは50種類を超えると言われています。

朝日新聞の記事は更に「子どもの受動喫煙のリスク」に踏み込みでいます。

・たばこの煙りにさらされる子どもの「受動喫煙」につい海外では規制強化が進み、英国下院では、【子ども乗せた車の中での喫煙を禁じる】法律を可決した。
・子どもが受動喫煙で受けるダメージは体重当たりの呼吸量が大きく、有害物質をより体内に取り込んでしまう。成長期で細胞分裂も盛んなため、発がん性物質の影響を受けやすい。
・胎児への影響も深刻で、タバコを吸う妊婦が生んだ新生児の平均体重は、吸わない妊婦より200グラム前後少なくなる。
・一酸化炭素で胎児の脳が酸欠状態になり、脳の成長にも影響を及ぼす。幼児期の知能指数が46ポイント低くなるという報告や、注意欠如多動性障害(ADHD)の出現率が23倍になる報告がある。


この記事では、受動喫煙による子どもの発達途中の内臓や脳に対する有害物質の怖さを、述べています。無抵抗な子どもに対する最大限の配慮が必要です。