2013年2月22日金曜日

健康ニュース ~ 中国からPM2.5、日本への影響が懸念される ~

中国での深刻な大気汚染、とりわけPM2.5が、各メディアで伝えられ連日話題と
なっております。中国国内はもとより、日本への影響が懸念されています。

そもそもPM2.5とは何でしょう。
日本でも大気汚染物質として規制の対象となってきました。
工場から排出される煤煙や自動車からの排気ガスなど、大気を汚染する要素は
各種の汚染物質から構成されています。PM2.5はこの中に含まれる、微小微細な
物質です。
その成分は、発生源から大気中に排出された時に既に粒子となっている「一次
粒子」と排出時気体だが、大気中で化学変化を起こし粒子化した「二次生成粒
子」に大別されます。
また排出される要因は、産業活動などによる人為起源と、自然現象(火山・黄
砂・植物等)による自然起源にわかれます。
「一次粒子」は、ばい煙発生施設・粉塵発生施設・自動車・船舶・航空機や家
庭等群小発生施設(調理・給湯器等)などです。
「二次生成粒子」は産業活動や燃焼由来の亜硫酸ガス・窒素酸化物・アンモニ
アなどです。

PM2.5はいろいろな物質からできていますが、粒子の大きさで表されています。
Particulate Matter(粒子状物質)の頭文字から、PMと略されています。
粒子の大きさが2.5マイクロメーター(1マイクロメーター=1μ=1000分の1㎜)
なので、PM2.5と呼ばれます。
f:id:renproject:20130222160739j:plain
<東京都ホームページより引用>
※人間の頭髪は70μm、スギ花粉は40μm、細菌は5μm、PM2.5は2.5μm
いかに微小であるかがわかります。

人間は毎日大量の空気を吸っています、その量は成人の1日の食物摂取量の約10
倍の20kgと言われております。
この空気の中に、細菌やウィルス、PM2.5のような物質も含まれています。
人間は鼻や喉、気管支などにはひだや粘膜があって、ウイルスなどの異物の侵
入を防いでいますが、PM2.5はとても小さいため肺の一番奥にある肺胞まで達し
ます。
肺胞は酸素を取り組む大切な機能を持ちます。
肺胞は【血液-ガス交換の場】として、肺の面積の85%を占め、成人の場合、
その表面積の総計は100㎡にちかいと言われています。

肺胞にはせん毛運動はありませんが、PM2.5などの異物を取り除く機能はあり
ますが、量が多いと処理できず、残ったり炎症が起きます。その影響は、酸素
を取り組むことができなくなり、喘息など、呼吸器の病気や循環器の病気が起
こりやすくなります。
PM2.5が発がん性物質を含んでいれば、ガンの恐れもでてきます。

日本の環境基準は2009年9月に設けられ、一日24時間の平均では35μm/m3とさ
れていますが、直近の国立環境研究所での調査では、1月の多い日には大気観
測局の3割で、環境基準を超えたとしています。
西日本で濃度が増えており、中国からの越境汚染が影響した可能性が高いとし
ていますが、PM2.5は日本でも前から観測されており、都市部で発生した汚染
と越境汚染が複合した可可能性も指摘しています。

中国メディアの新華網は2月20日、中国科学院は今年1月10日~14日にかけ、今
世紀に入ってから最も深刻な大気汚染が発生したと報じています。この汚染の
元凶は「石炭と自動車の排気ガス」としています。
今年1月北京市では晴天が見れたのはわずかに4日間だけで、データで最も汚染
が深刻だったのは1月12日で、河北省石家荘市のPM2.5濃度が660μm/m3、天津
市でも500μm/m3と極めて高い濃度が観測されました。

同研究所の王研究員は「濃度の高い3地域のPM2.5の発生源を分析したところ、
石炭が34%、自動車排気ガス16%、残りは工業、外部からの流入、粉塵、飲食
産業からのもの」と述べています。
専門家は「汚染の発生を防ぐには、工業や石炭燃焼を制御しなければならない。
また、ディーゼル車の排気ガス、石油製品の品質にも注目が必要だ」としてい
ますが、経済優先の姿勢が見える中国では、近々での改善はかなり困難視され
ております。

中国の大気汚染が越境して日本まで飛来するなどの状況は、国立環境研究所の
<環境展望台>などで、リアルタイムに見ることができます。
http://envgis5.nies.go.jp/eastasia/

黄砂の時期と重なり、日本への影響は避けられないのが現状です。
また、花粉症も今年は大量に飛散すると言われています。黄砂や花粉にPM2.5
が重なると、花粉症やぜん息などの持病がある方は症状が出やすくなる可能性
もあります。汚染状況予報など、こまめにチェックし状況により外出を避けた
り、ウィルス用マスク(PM2.5用マスク)をつけるなどの対策が必要です。

福岡市などではPM2.5の一日の平均値が国の基準を超える公算が大きいのは、
午前6時時点で39μm/?を超えた場合と分析し、午前6時以降、呼吸器系疾患の
ある人に外出時のマスク着用などの注意喚起を始めました。
国も環境省で、基準の具体的な数値や呼びかけの内容の検討を始めており、近
いうちにその内容が発表されるとおもわれます。

住宅の換気も外気を飛び込む恐れがある場合は要注意です。
換気を控えた場合など、室内を<きれいな空気>の環境に保つことが大切です。

2013年2月18日月曜日

健康ニュース 3013年2月18日

◇木製ベットから発生する化学物質等 
 ―ホルムアルデヒドを中心に―

新築の住宅はきれいな室内空気でも、後から入る家具類からの化学物質放散に
よる空気の汚れは良く耳にするところです。
室内空気質測定でも、新築時建物だけの空気質は低位の数値であっても家具搬
入後、化学物質による空気質の悪化は良く経験致します。

国として現在のところ、業界に自主規制に委ね国としての規制は行われており
ません。

(独)国民生活センターのPIO-NET(全国消費生活情報ネット)には家具から発
生するにおい、化学物質やシックハウスに関する相談が2003年以降2008年8月末
までに1,045件寄せられました。

その中でもベット類に関するものが214件にのぼり、「目がチカチカして気分が
悪くなった」「塗料のにおいがきつく頭痛や鼻づまりなどの症状が出た」などの
危害情報が113件と半数以上をしめています。

相談件数の多い家具は1位:戸棚類、2位:ベット類、3位:タンス類4位:椅子類、
5位:机・テーブル類です。
一方、危害情報は1位:ベット類、2位:戸棚類、3位:机・テーブル類となって
おります。

同センターでは大手通販サイトから7銘柄のベットについてテストし結果を公表
しました。

その結果
・設置1日後に、7銘柄中3銘柄で指針値を上回るホルムアルデヒト濃度となり、
 1銘柄は指針値の7倍以上であり、2銘柄は15日経っても指針値を上回った。

・換気により、一時的にはホルムアルデヒド濃度を減少させることはできるが
 換気をやめると1時間後にはホルムアルデヒド濃度は換気前の70%まで戻った。

ホルムアルデヒドの室内濃度が高くなった3銘柄は、ベッドのJIS規格に適合
 しないほど、ホルムアルデヒドの放散量が多いものがあった。

・においの強いものはTVOCの室内濃度も高い傾向にあった。一方、ホルムアル
 デヒドの室内濃度とにおいは相関がなく、ホルムアルデヒドの濃度が高くて
 もにおいでは分からない。

・77%の事業者がホルムアルデヒドを低減化した商品を扱っているが、低減化
 のレベルには差があった。

特に新しい家具については、化学物質を減衰することが大事です。
また、換気も重要なことです。
建物も家具も抗酸化資材で最適な環境にしましょう。

詳しくはこちらから

◇家具のVOC対策等実態調査及び今後のあり方を検討する調査事業

経済産業省の上記調査事業が公表されています。建築関係は2003年施行の建築
基準法改正により、建材からのホルムアルデヒドの放散については規制対象
なりましたが、一方、室内で使用される木製家具については規制がなく、業界
団体・メーカーはそれぞれ自主基準を定め、それに基ずくマーク表示等をして
おりますが、このマーク表示は自主表示制度であることから、近年急増してい
るアジア諸国等からの輸入家具には対応できていません。

これを受け国は、木製家具及びそれに使用される材料(木質材料・接着剤・塗
料等)からのホルムアルデヒド・VOCの放散量の低減化の徹底をはかる事を進
めています。

家具関連業界の化学物質規制は(社)日本家具産業振興会の室内環境配慮マー
クなど、各業界で定めていますが、業界としてまとまってはおらず、国として
の指針(法)の整備が急がれます。

詳しくはこちらから

ReN空間創造プロジェクト